2020年05月07日

拝啓

大変ご無沙汰しております。

晩春の候、晴れの日には

暑くも感じられたり

元気な虫の声や心地よい風を感じられる季節となりましたが

お元気でお過ごしですか?

今、日本中が、いや世界中がとても大変な見えない敵と戦っています。

かつて目にしたことのないこの景色は

どんな風に映っていますか?

今私は見えない彼奴らに打ち勝つ為に、

日々多くの時間をお家の中で過ごしています。

日本の、世界の、沢山の人たちがそれぞれの場所で

それぞれの形で戦ってくれています。

本当にありがとうございます。

お陰様で私は、かつてした事の無い時間の過ごし方をさせて頂いていて、こうして過ごしていると日々の日にちに対する意識の感覚が薄れてきたりします。

最近、小津安二郎監督の名作映画集を買い揃えて小津作品を観ているのですが、

今日は『晩春』という作品を観ました。

婚期を逃しかけた娘を心配する父親と、自分が嫁いだ後の独り身の父の行く末を案じる娘の思いを描く作品です。

作品の最後、娘の幸せを願い続けた父が無事に娘を送り出し、椅子に座り林檎の皮を剥きながら思いが溢れ出るシーンになった途端、それまで『作品』としての距離でしか観ていなかったはずなのに、

突然、父・笠智衆さんの姿に自分の父親が重なってきて私は声を上げて泣いてしまいました。

そして泣きながらふと、

今日は五月七日だ

父の二周忌だと思い出しました。

私が18、9歳の頃に両親が離婚してから一度も会いに行けないままあっちへ行ってしまった父が、日々の事で頭いっぱいで、二周忌も忘れそうだった薄情な娘にあちらから会いに来てくれたのかもしれません。

田舎の母と弟に改めて連絡を取りました。

母は私の弟が建ててくれた父たちのお墓に

行ってくるよと言ってくれました。

今日は久しぶりに、何だか沢山泣いちゃいました。

ありがとうお父さん、わたしたちは元気です。


みーんな大変だけど

私も一緒に頑張るよ。


晩春の候、どうか皆さま

何よりお身体を大切にお過ごし下さいませ


            かしこ

          令和二年五月七日
              上杉美浩

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posted by mihiro at 23:25| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする